長い間、差しっぱなしになりがちなコンセントは電源プラグの間にホコリがたまりやすくなっています。
たまったホコリに湿気が加わると、電源プラグの刃の間で火花放電が繰り返されます。
その熱がコンセントに接する絶縁部を加熱し、電源プラグの刃と刃の間に「トラック」と呼ばれる電気の道をつくります。
やがてはそこから放電をおこし、発火します。電源がOFFになっていてもプラグが刺さっているだけで発生します。
これがトラッキング現象とよばれ、発生した際には思わぬ被害になることもあります。
・冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの裏側のホコリが溜まりやすいところのコンセント
・台所や洗面所、脱衣所などの湿気が多い場所で使用しているコンセント
・加湿器や水槽など水気がある場所で使用しているコンセント
上記のような場所で使用している場合は火災予防のために対策を取っておきましょう。
トラッキング火災の起こり方1
コンセントとプラグの隙間にホコリなどがたまり、湿気を帯びる。
トラッキング火災の起こり方2
この状態で電圧がかかると、コンセント表面を伝わってプラグの刃と刃の間にわずかな電流が流れることがある。
トラッキング火災の起こり方3
電流が流れることで、プラグ表面が劣化し、炭化導電路(トラック)ができ絶縁破壊が起きる。(=トラッキング現象)
トラッキング現象の発生は、季節と時期に関係なく、ホコリと湿気があれば季節や時期に関係なくいつでも起こりうる現象となります。
しかしその中でも、湿気の多い梅雨時期はトラッキング現象が発生しやすい時期となります。
6月~8月は湿度が高くなりやすい季節ですので、トラッキング火災が発生しやすい月となっています。
トラッキング現象での火災防止には、まずは定期的な掃除をすることが大切です。
定期的に電源プラグを抜き、乾いた布でホコリを取り除きましょう。
トラッキング現象防止機能が備わった電源プラグやタップに変更することもトラッキング火災予防に有効な対策となります。トラッキング現象防止機能とは、電源プラグの刃の根元に絶縁性のあるキャップが付いていて、万一、ホコリが溜まっても発火を防ぐことが出来ます。
また最近ではトラッキング現象の発生を感知して瞬時にブレーカーを落とし、電力供給を遮断できる高機能な電源タップも販売されています。トラッキング現象防止機能のプラグに変更しても、100%トラッキング現象を防げるわけではないので、まずは日常的に掃除をすることをオススメします。